第52回京都市民読書会の概要が決まりましたのでご案内させていただきます。
(先日の京都新聞に京都市民読書会の記事が掲載されました。よろしければご覧ください→ 記事

今回取り上げる作品は、
夏目漱石『坊っちゃん』(岩波文庫)です。

2016年最初の読書会は、没後100年を迎える夏目漱石の作品を取り上げたいと思います。
漱石の作品から『坊っちゃん』を取り上げるのは、1月3日にフジテレビで放送される嵐の二宮和也主演の新春ドラマ「坊っちゃん」に便乗したと受け取っていただいてかまいません。
http://www.fujitv.co.jp/bocchan/

2月の読書会で京都市民読書会は5周年を迎えますが、現在の予定ではカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を取り上げる予定です(変更の可能性あり)。べつに綾瀬はるか主演のドラマに便乗しようとしていると捉えていただいてもかまいません。
http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/

ドラマ化に便乗してはいますが、基本は原作を読んで語り合うという会なので、ドラマを観ても観なくてもかまいません。

漱石の『坊っちゃん』というと、痛快で面白可笑しい青年教師の物語という印象を持っている方が多いかと思いますが、岩波文庫版の解説を書いている平岡敏夫氏によると「『坊っちゃん』は涙なくしては読めない小説」ということです。「滑稽の裏には真面目がくっ付いている。大笑の奥には熱涙が潜んでいる。雑談(じょうだん)の底には啾々(しゅうしゅう)たる鬼哭(きこく)が聞える」と、前作の『趣味の遺伝』で漱石は書いています。『坊っちゃん』の物語に秘められた「熱涙」を感じ、「鬼哭」に耳を澄ましてみませんか。(そんなもんはないやろ!という読みもOKです。)

実は、坊っちゃんが死ぬとしたことでも知られるように、帰京後を描いた末尾の部分は、それまでと性格を異にしている。つまり、この小説末尾は余談の形で本音を吐露した部分、芝居で言えば、人物が活躍する舞台に対する幕のそでのようなものと考えられる。多くの観客は中学校の舞台ばかりを見て、幕のそであたりに引っこもうとしている俳優の素顔は見ないのだ。そのことは舞台そのものもよく見ていないことを意味するはずだが、父母の〈家〉もなく、〈家庭ならざる家庭〉も崩壊した宙吊りの深い孤独のなかで、語り手が最後に語りたかったのは、自分を心から愛してくれた唯一の存在が現実にはこの世になく、別の世界に永遠に待っているという意識である。小日向の養源寺、実は小日向の夏目家の菩提寺本法寺に眠っているのはだれか。それは、漱石がかぎりなく敬愛し、さながら兄と同格のごとくその死を胎内の子の死とともに悼んだ嫂か、あるいは亡き母か、そういう議論をたてたこともあるが、俳優の素顔・本音、つまり作者漱石にとって、それは、死によって永遠に隔てられつつも、ひたすら待ちつづける切実な女性存在というしかないものである。
(平岡敏夫「解説」より)



ドラマに便乗しまくるような読書会なので、難解な文学論を熱烈に闘わせるような会を期待せずに、気楽にご参加下さい。無理に発言を求めるということはありません。初参加、小説なんて普段読まないという方、大歓迎です!(毎回3割くらいの方が初参加です。)(小説を読むきっかけがドラマ化だっていいじゃないですか、嵐だっていいじゃないですか。)

京都市民読書会という名前ですが、京都市民「の」読書会ではなく、京都「の」市民読書会なので、京都市在住でない方もご参加いただけます。実際、参加者のほぼ半数が京都市外からの参加者です。
また、これまでの参加者も学生、フリーター、主婦、会社員、15歳からから80代までと幅広いので、自分は場違いではないだろうかなどとためらわず気楽にいらっしゃってください。

参加希望者がかなり多くなることが予想されますので、参加をご希望される方はなるべく早くお申し込みください。
こちらで予定している定員に達し次第、参加申込受付を締め切らせていただきます。
また、今回は初参加者枠を設けます。

たくさんの方のご参加をお待ちしております。


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(以前の読書会の様子。参加者の許可を得て、参加者の一部を撮影したものを載せさせていただきます。)


日時:2016年1月17日(日)午後2時より
場所:京都市内のカフェ
予算:各自の飲食代+場所代500円
定員:16名(今回は初参加枠を設けます)
参加方法:下記の京都・大阪市民読書会のメールアドレス宛に件名を「漱石読書会参加希望」として、次の2点を記してご連絡ください。
①読書会での呼び名(本名orニックーネーム・ハンドルネーム)
②京都府内在住か京都府外在住か
(例/はじめまして。読書会へ参加を希望します。①ゆたか②府内在住、以上。)

京都・大阪市民読書会twitter: @KyotoBookClub 
京都・大阪市民読書会e-mail:japanbookclub@gmail.com
京都・大阪市民読書会blog: http://kyotobookclub.blog.fc2.com/
過去の課題本: http://kyotobookclub.blog.fc2.com/blog-entry-21.html

ご質問などはメールでお気軽にお問い合わせください。

【読書会の進め方について】

読書会の初めに自己紹介の時間を設けさせて頂きます。
ごく簡単にでかまいませんので「課題本の全体的な印象」と、もしありましたら「他の参加者に聞いてみたいこと」の二点をお話し下さい。
それを念頭に置いて、参加者全員で気になるところを具体的に取り上げながら作品を辿り直していき、最後にもう一度作品全体についてお話できたらと思います。
部分と全体を循環しながら一冊の本を「共に」読んでいくことは、「一人で」する読書とは違う面白さがあると思います。
作品の声を皆で共に丁寧に聴くことで、同じ作品を共有する他の人の声を聴くことのできる、「耳澄ます場」にしたいと思っています。

本が好きな方々と素敵なひとときを過ごせるのを楽しみにしています。


*本会は異業種交流会や婚活パーティーの類ではないので(それらを否定するつもりはありません)、本を離れて他の参加者のプライベートを詮索することはご遠慮ください。
*読書会内外でいわゆるヘイトスピーチとされる発言をする方の参加はお断りします。国籍や出身地・職業を問わず、誰もが安心して楽しく参加できる読書会にするためです。
*車椅子をご使用の方は参加前にご相談ください。車椅子の方もご参加いただけるよう調整します。

京都・大阪市民読書会連絡担当 ゆたか
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